『泡盛のかほり 幻の白梅香その後』


 

「白梅香」とは、最後の琉球国王、尚泰(しょうたい)の四男、尚順(しょうじゅん)が遺稿の中で記している泡盛の香りのことです。尚順は食に通じ、博学の趣味人として知られた人でした。『松山王子尚順遺稿集』によると、よく熟成した古酒の香りは三種しかないと断じています。



尚順のいう三種の香りとは、第一は「白梅香」で、鹿児島から渡来する高級な鬢付(びんつけ)油の匂(にお)いに似ている。第二は熟れた酸漿(ほおずき)の匂い、第三は雄のヤギの匂いで体臭に近く、すこぶるエロチックだと述べています。






鬢付油は今や両国の相撲部屋にでも行かなければ分からない香りになってしまいました。

ヤギはまだまだ沖縄で飼われています。

酸漿が一番身近で試しやすいものですが、植物としての匂いはあっても格別な香りとは感じられません。





 


不思議です。食通で知られた尚順が記した香りとは思えません。食用酸漿のことだろうか。食用酸漿は独特の芳香を放ちます

戦前の沖縄に食用酸漿があったでしょうか。その事を朝日新聞のアスパラというブログに書いたところ、その先を調べてくださった方がいました。







戦前、沖縄にも食用酸漿が入っていたのです。いまも糸満で栽培している人がいると知って、訪ねてみました。その方から酸漿を少し分けてもらい、宮古島の知人に頼んで種から栽培して貰ったものが、やっと届きました。

実は小振りですが、強い芳香を放っています。

さっそく今月の島魚の焼物に二ガ菜と共に添えてみました。



 

かつて沖縄には百年を越す古酒がありました。

これが泡盛の名酒の香りかと、酸漿をお楽しみいただければ何よりです。 

 


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  • 2010/07/08 1:00 AM
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